columnRancherとは?初心者向けに分かりやすく解説

Rancherとは?初心者向けに分かりやすく解説

こんにちは!
今回は、Kubernetesの頼れる相棒、「Ranche(ランチャー)」について、分かりやすく解説していきます。
Kubernetesを「スーパーヒーロー」とするなら、Rancherはまさにそれを支える「スーパーサポーター」といったところでしょうか。

Kuberneteについて詳しく知りたい方は、前回の記事「Kubernetesとは?初心者向けに分かりやすく解説」をご覧ください。

1.Rancherとは?

Rancherは、Kubernetesをより簡単で効率的に使うための「コンテナ管理プラットフォーム」です。

前回のKubernetesの記事では、Kubernetesを巨大な遊園地全体を管理する超優秀なアシスタントに例えました。Rancherはそのアシスタントをサポートする、さらに優秀な秘書チームのようなものです。

<Kubernetesの管理を簡単に!>
  • 複雑さを解消
    Rancherは、Kubernetesの難しい設定や操作を、分かりやすい画面で簡単に行えるようにしてくれます。
  • Kubernetesクラスターを一元管理
    複数の遊園地(Kubernetesクラスター)があっても、Rancherがあれば一つの本部からまとめて管理できます。

2. なぜ「Rancher」という名前なの?

ここで、豆知識。「Rancher(ランチャー)」とは、英語で「牧場主」を意味します。

広大な牧場でたくさんの牛(コンテナ)を管理する牧場主は、それぞれの牛が「どこで」「何をしているのか」「健康状態はどうか」、しっかり把握していますよね。

Rancherも同じように、沢山のコンテナが「どこで」「どのように動いているのか」を管理し、問題があればすぐに対処できるようにしてくれます。

3. Rancherで何ができるのか? ~ Rancherのここがすごい!~

Rancherを使うと、以下のようなことができます。 コラム2のimage1
  • 直感的なWebインターフェース
    専門知識がなくても、画面を見ながら簡単に操作ができます。例えるなら、スマートフォンのアプリを操作するような感覚です。
  • マルチクラウド/オンプレミス対応
    異なる環境のKubernetesクラスターを、まとめて管理できます。AWS、GCP、Azureなどのクラウドだけでなく、自社サーバーのKubernetesもRancherで一括管理できます。
  • アプリケーションのデプロイやスケーリングが簡単
    新しいアプリケーションの設置や、混雑状況に応じた規模の変更が簡単にできます。

4. なぜRancherが必要なのか?

<複数のKubernetesをスマートに管理>
では、なぜRancherが必要なのでしょうか?以下のユースケースから考えてみましょう。

ユースケース1:マルチクラウド環境での運用
あなたの会社では、AWSとGCP、そして自社データセンターにもKubernetesクラスターを持っているとします。

<従来の課題>
  • 環境ごとに異なる管理ツールを使い分けるのは大変
  • 設定ミスが起こりやすく、トラブルの原因に
  • 全体像を把握するのが難しい
<Rancherを使うと>
  • 一つのインターフェースで全クラスターを管理!
  • 設定を標準化できるので、ミスを減らせる!
  • 全体の状況をリアルタイムで把握!
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まるで、複数の遊園地を一つの本部から効率的に管理するようなイメージですね。

ユースケース2:開発者の効率アップ
開発チームが新しいサービスをどんどん開発しているとします。

<従来の課題>
  • Kubernetesの専門知識がないと、デプロイ作業が難しい
  • 設定ファイルの編集が大変で、時間がかかる

<Rancherを使うと>
  • GUIで直感的に操作できるので、高度な専門知識がなくても大丈夫!
  • テンプレートやウィザードで簡単にデプロイ!
  • 開発者は本来の仕事である、アプリケーション開発に集中!
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5. Rancherで何が便利になるのか?

Rancherを使うことで、楽に運用や開発ができるようになります。 コラム2のimage4
<利用者のメリット>
  • 運用チームの負担軽減
    複数のKubernetesクラスターを効率的に運用できます
  • 開発スピードの向上
    アプリケーションの展開が簡単になり、開発サイクルが早くなります
  • 学習コストの削減
    初心者でも扱いやすいインターフェースなので、すぐに使いこなせます

<具体的な効果>
  • ダウンタイムの削減
    問題を早期発見し、迅速に対応できます
  • コストの最適化
    リソースの利用状況を把握し、無駄を削減できます
  • セキュリティの強化
    アクセス制御やポリシー管理をしっかり行えます

6. Rancherの基本的なアーキテクチャ

コラム2のimage5
  • Rancherサーバー: 全体を管理する司令塔
  • Rancherエージェント: 各Kubernetesクラスターに配置され、サーバーと連携
  • ユーザー:WebインターフェースやAPIを通じてRancherを操作

7. 実践的な導入方法とアドバイス

<始め方>
  1. 環境の準備
    サーバーを用意します(クラウドでもオンプレミスでもOK!)
  2. Rancherのインストール
    公式ドキュメントに従って、サクッとインストール!
  3. クラスターの登録
    既存のKubernetesクラスターを登録、またはRancherを使って新しいクラスターを作成します。
  4. アプリケーションのデプロイ
    カタログから選んで、簡単にデプロイ!
<学習リソース>
  • 公式ドキュメント: 困ったことがあれば、まずはRancher公式サイトをチェック!
  • マニュアルRancher公式マニュアルを読みましょう
  • コミュニティ: フォーラムやSlackで、世界中のRancherユーザーと交流できます。

8. 他の関連技術との連携について

Rancherは、他の技術との相性が良好です。
  • クラウドネイティブ技術
    Istio、Helm、Prometheusなどと連携して、さらに高度な管理を実現!
  • CI/CDパイプライン
    JenkinsやGitLabと組み合わせて、アプリケーションのデプロイを自動化!

9. まとめ

<業界動向との関連性>
今、多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、クラウドネイティブな技術への移行を加速させており、Rancherは、その中心的な役割を担うツールとして、ますます注目を集めています。

Rancherは、Kubernetesの運用を劇的に簡単にする、まさにスーパーサポーター。Rancherを活用して、Kubernetesの力を最大限に引き出し、あなたのITレベルの向上に役立ててください!

【筆者情報】
株式会社スタイルズ(菱洋エレクトログループ会社)
矢野哲朗
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